「DESIGN」重傷度分類と経過評価のツール

[2005/03/10]

DESIGNについて
 DESIGNは治癒過程を評価するためのツールとし,受傷から悪化する急性期には使用しないことをと りあえずの原則とした。急性期は病態の変化が多岐にわたり,この時期の評価を含めると複雑となり 1つのスケールとしてまとめるのは困難と判断されたためである。次にDESIGNツールとして,日常の 簡便な評価のための重症度分類用,および詳細に治癒過程の流れが示される経過評価用の2つを検討 した。さらに各項目を軽度と重度に区分し,軽度をアルファベットの小文字(d.e.s.i.g.n),重度 を大文字(D.E.S.I.G.N)で表記することにした。経過評価用では各項目を細分化しスコア化した。 スコアの内容は重症度の高いほど高得点となり,治療に伴って点数が減少すれば改善傾向を示すとい うものである。おのおのの表の最下段に部位の項目(仙骨部,坐骨部,大転子部,踵部,その他)を 設け,該当する部位を記入することにした。

1.褥瘡重症度分類用(表1)
1)Depth(深さ)
 創内の一番深いところで判定し,真皮全層の損傷(真皮層と同等の肉芽組織が形成された場合も含  める)までをd,皮下組織をこえた損傷をDとし,壊死組織のために深さが判定できない場合もこの  Dの範疇に含める。
2)Exudate(浸出液)
 ドレッシング交換の回数で判定する。ドレッシング材料の種類は詳しく限定せず,1日1回以下の  交換の場合をe,1日2回以上の交換の場合をEとする。
3)Size(大きさ)
 褥瘡の皮膚損傷部の,長径(cm)と短径(長径と直交する最大径(cm))を測定し,それぞれをか  けたものを数値として表現するもので,100未満をs,100以上をSとする。
4)Inflammation/Infection(炎症/感染)
 局所の感染徴候のないものをi,感染徴候のあるものをIとする。
5)Granulation tissue(肉芽組織)
 良性肉芽の割合を測定し,50%以上をg,50%未満をGとする。良性肉芽組織の量が多いほど創傷治  癒が進んでいることになり,本来なら数値が逆であるが,大文字が病態の悪化を表現しているため  このような記述方法となった。なお,良性肉芽とは必ずしも病理組織学的所見とは限らず,鮮紅色  を呈する肉芽を表現するものとする。
6)Necrotic tissue(壊死組織)
 壊死組織の種類にかかわらず,壊死組織なしをn,ありをNとする。
7)Pocket(ポケット)
 ポケットが存在しない場合は何も書かず,存在する場合のみDESIGNの後に-Pと記述する。  たとえば,深さ,大きさ,壊死組織が重度であり,他が軽度でポケットの存在する場合は,DeSigN  -Pと表記される。

 表1 DESIGN(褥瘡重症度分類用)
 ※ ここをクリックすると、DESIGNの表が表示され印刷できます。

2.褥瘡経過評価用(表2)
1)Depth(深さ)
 創内の一番深い部分で評価し,改善に伴い創底が浅くなった場合はこれと相応の深さとして評価し,  0から5点までに区分した。
  0:皮膚損傷も発赤もない状態
  1:持続する発赤の存在
  2:真皮までの損傷
  3:皮下組織までの損傷
  4:皮下組織をこえ筋肉,腱などにいたる損傷
  5:関節腔,体腔にいたる損傷または,深さが判定できない場合
2)Exudate(浸出液)
  0:浸出液は見られない
  1:少量(毎日のドレッシング交換を必要としない程度)
  2:中等量(1日1回のドレッシング交換を要する)
  3:多量(1日2回以上のドレッシング交換を要する)
3)Size(大きさ)
 皮膚損傷範囲の,長径と短径(長径と直交する最大径)を測定し(cm),おのおのを掛け合わせた  数値を0から6点までに分類した。
  0:皮膚損傷なし
  1:4未満
  2:4以上,16未満
  3:16以上,36未満
  4:36以上,64未満
  5:64以上,100未満
  6:100以上
 なお大きさの目安として,円形の創をイメージし,s1は直径2cm未満,s2は4cm,s3は6cm,s4は  8cm,s5は10cm以内,S6は10cm以上と考えると理解しやすい。
4)Inflammation/Infection(炎症/感染)
 創周辺の炎症あるいは創自体の感染につき,0から3点までに分類した。
  0:局所の炎症徴候が見られないもの
  1:局所の炎症徴候が見られるもの(創周囲の発赤,腫脹,熱発,疼痛など)
  2:局所の明らかな感染徴候が見られるもの(局所の炎症徴候,膿,悪臭を含む)
  3:全身的影響が見られるもの(発熱など)
5)Granulation tissue(肉芽組織)
 創面の肉芽組織の量により0から5点に分類した。
  0:創が治癒した場合または,創が浅いため肉芽形成の評価ができない
  1:良性肉芽が創面の90%以上を占める
  2:良性肉芽が創面の50%以上,90%未満を占める
  3:良性肉芽が創面の10%以上,50%未満を占める
  4:良性肉芽が創面の10%未満を占める
  5:良性肉芽がまったく形成されていない
6)Necrotic tissue(壊死組織)
 壊死組織の病態が混在している場合は全体的に多い像をもって表現し,0から2点に分類した。
  0:壊死組織は見られない
  1:柔らかい壊死組織あり
  2:硬く厚く,密着した壊死組織あり
7)Pocket(ポケット)
 ポケットの広さの計測は,褥瘡潰瘍面とポケットを含めた外形を描き,その長径と短径(長径と
 直交する最大径)を測定し(cm),おのおのを掛け合わせた数値から「褥瘡の大きさで測定した
 数値」を差し引いたものを,1から4点までに分類した。
 -P 1:4未満
 -P 2:4以上,16未満
 -P 3:16以上,36未満
 -P 4:36以上

 表2 褥瘡経過評価用(表2)
 ※ ここをクリックすると、DESIGNの表が表示され印刷できます。